温め、軽めではありますが、性描写ありです
苦手な方、18歳未満の方は、窓を閉じるようお願い致します。
また見終わっての苦情はご遠慮下さいー。





勉強勉強また勉強。

日が昇って勉強の事を考えてげんなりして、日が高くなって勉強の事を思ってげっそりして、日が落ちて勉強の事を思い出してぐったりする。


来る日も来る日も勉強三昧。

それは試験が近いからに他ならないのだけれど。

ではなぜその勉強場所がぼくの部屋で行われているのだろうか。

それはぼくが家庭教師紛いの事をしているからに他ならないのだけれど。


だがそれでも、四六時中ってわけにはいかないだろう?

そう、いかないはずなんだ、常識的に考えて。

都合が悪いかな、毎日なんて申し訳無いな、今日は疲れたから明日にしよう……人ならばそう考えるはずだ。


だがしかし言わずして叶うほど、姫ちゃんは人の心を察せるような鋭い感覚の持ち主ではないし

それ以前に、姫ちゃんには一時の余裕も猶予も常識も許されていないのだ、真っ赤な成績のせいで。


お陰でぼくは暇な時間全てを姫ちゃんの試験勉強に充てる事になったのだ。

皆が寝静まってあれこれしようだなんてディープな目論みはここ最近達成できていない。

忙しい時ならそんな時だってあるさ、紛らわす事だってできるさ。


だが、それは手の届く範囲に、この子がいない場合に限ってのみ可能な行いだった。



まぁ何やかんや言ったところで、とどのつまり



「姫ちゃんってさ」

「はい?」

「小悪魔だよね」



欲求不満てやつなんですけどね。



「はい?」

with out stop

姫ちゃんはその日、いつものようにお昼を過ぎるぐらいに目を覚ましました。

いつものように早速空腹を訴えるお腹に手を当てて、いつものように師匠の部屋を訪れました。

師匠はいつものように表情のない顔で暫し沈黙し、それからいつものように中へと通してくれました。

いつものようにパンが二枚、それからお水が用意されていて、会話とも呼べない他愛ない話し合いをしながらそれを食べました。

そのパンはいつものように…いえ、いつも以上に味がなくて、水はそれを上回る無味無臭でした。

それから姫ちゃんはご飯をたかりにきたのではないですよと自慢気に、服の中に隠してあった本とノート、筆箱を机に広げました。

師匠はやっぱり表情を崩さず、けれど嫌そうに文句ばかり ―しかも聞き取れないので反抗できない…― 呟きながら、

それでも、今日はどこからだっけと、いつものように姫ちゃんに家庭教師の真似事をしてくれました。



いつものようにいつものように。

昨日を今日と錯覚してしまうぐらい繰り返しの毎日。



けれど今はどうでしょう、姫ちゃんは真っ白なノートと睨めっこしていません。

横に目をやってもいっぱい字の書かれた暗号の教科書はないですし、師匠の催眠療法のような言葉も聞こえてきません。


ただ師匠が見えて、その後ろには天井が見えて、姫ちゃんは事の事態を飲み込めずにぽかんとしていました。


覚えているのは、姫ちゃん=小悪魔の等式を提示した師匠の言葉。



「姫ちゃん、頭打った?」

「い、いえ!」



焦点の合わない瞳でぼんやりとどこかを眺めている姫ちゃんに、ぼくは衝動の欠点を知った。

自分の思いのみで突っ走ってしまうと、相手は自分の意図が読めずに、こんな風に魂が抜けた状態になってしまうのかもしれない。

気を付けなくては。


ぼくは心の中で衝動を危険行動と認知し、それから先程、鈍い音をさせた ―というよりさせてしまった― 姫ちゃんの後頭部に触れた。



「大丈夫?」

「は、はい、姫ちゃんはいつも通りです!」

「……」



何がいつも通りなのか…とりあえず意識はあって…どこかへ飛んでいるのかもしれないが、会話らしいものもできている。

びしりと敬礼する辺り、体も動くらしいし、大丈夫なようだ。


そう とぼくは聞こえるか聞こえないか、特に聞こえなくても困らないので小さく呟いて、後頭部に触れていた手をどかす。

そのまま顎に添えて、じっとぼくを見つめるその顔を傾げさせた。



「ししょ…」



ぼくの名を呼ぶ ―…いや、名前ではないけれど…― その、瑞々しく潤った唇に触れる。


ちゅ と離れる時に小さく音がした。

意図していなかっただけに、少し恥ずかしい…



「あ、あの!」



姫ちゃんは一をされて百を悟ったらしい。


瞬間沸騰。

ぶわああっと顔を赤らめて、挙動不審な言動を始めた。


唇に手を当てて、ぼくの方を見遣って茹蛸のように真っ赤になって、

逃げ出したいのか覆い被さるぼくの胸板を一生懸命押して…それでも動かないことにちょっとだけ涙ぐんで、

あわあわと、わたわたと。


可愛いなあ…と純粋に思った。


何をどうしたいのかどうするつもりなのか、聞いてみたい、というよりも、このまま見ていたい衝動に駆られる。

そこで先程、衝動は危険行動に認定した事を思い出す。


恐らく、このまま見ていたら間違いなく、姫ちゃんは泣きだすだろう。もしくは怒り出すかも知れない。

喜んでは……くれないだろうな。

やだ師匠、したいなら言って下さいよう!


……言わせてみたい気もする。



とにかく。

ぼくは姫ちゃんがこれからどう行動に出るのか見たい、そんな思いを断ち切る事にした。



「姫ちゃん」

「はい!」

「大丈夫だから」



潤んで赤くなり出したその瞳に口付けると、反射的に目が閉じられた。

ぽろっと零れ落ちた涙の後を拭って、ね?と念押しする。



「し、しょうは」

「え?」



震える声、掠れて、ああでも色気なんてちっともなくて、まるで小さな子供のソレだ。



「いつから、そんな風に、ジェントルになっちゃったんですか」

「じぇんとる?」

「師匠は、いつも!うおお!ってケダモノのようにして姫ちゃんに襲い掛かって、姫ちゃんのステイも聞いてくれません」



……ぼくは犬か。



「でも、今日は…逃がしてくれてませんけど……無理矢理じゃないんですか」

「無理矢理が良いならそうするけど」

「そ、そんな事は言ってないです!」



ああそう。

残念、と舌打って、いやぼくにそんな趣味はなかったはず、と思い直す。


姫ちゃんは落ち着いてきたのか、普段の饒舌を取り戻しつつあった。

けれど、この饒舌…さてはこの子、ここから逃げようとしているな。



「師匠、聞いてますか。姫ちゃんは今日は勉強をしにきたのですよ、赤点と補習が毎日夢の中で姫ちゃんを追い掛け回し、うひゃあああ!」



姫ちゃんが勝手にするならぼくだって勝手にしようじゃないか。

喋りたければ喋ると良い、ぼくはぼくで行為を進めさせてもらう、そう決めて、薄いTシャツに手を這わせた。

―ああ、何だ…姫ちゃんもその気だったんじゃないの?― と勘違いしてしまうような、薄着。

これ…濡れたら透けるぞ。



「……色気のある無しは…見た目も含めて仕方ない事だと思うけどさ」

「うぐ!師匠!ストレートですよストレート!姫ちゃんクリーンヒット!」

「ああごめん、でもそのうひゃああはやめて」

「すみません、でも、ひぇえええ!」

「……あんまり声が大きいと、他に聞こえちゃうよ」

「!!」



姫ちゃんはぼくの一声に、目をカッと開いた。

どうやら睨みつけたいらしいが、恋は盲目、ぼくはボンヤリと、可愛いなあなどと思っていた。



「姫ちゃん」

「うう、なんですか」



必死で口元を手で押さえていたので、声がくぐもっていて、よく聞こえない。

それはこのボロアパートで騒がしくするのが、色んな意味でご法度だからである。


薄い壁一枚では、うひゃあああ!もひぇえええ!も丸聞こえ、筒抜け状態なのだ。

姫ちゃんはここの住人だからよく分かっているはず。


ぼくに指摘されなければ失念していただろうけど、姫ちゃんは回りに気付かれていづらくなりたくはないだろう。

ぼくは良いんだけどね。


というよりもこの子。今回が気づかれなかったとしても、もう既に周知の事実だという事にも気づいていないらしい。

まぁ、いいか。知らぬが仏。



「今度温泉行こうか」

「え?」

「その服、着て来てね」

「え?え?」



突拍子のない会話、真意が読み取れない注文に、姫ちゃんは、口元から手を離して首を傾げた。

チャンス到来。



「おりゃ!」

「うぶっ!」



服の裾を掴んで、ぐわばっと上へ上げる。

抵抗は愚か、予想だにしない奇襲に、姫ちゃんは呻き声をあげた。


ばんざーい、で脱がされた服の下には、申し訳程度に付けられた下着。

あ、いや、それはあんまりか。



「姫ちゃん、可愛い」

「!師匠なんて天に召されちゃって下さい!」



え、マジで?

フォローを入れたつもりが、逆効果だったらしい。

いや、それもそうだ。申し訳程度の下着の言葉は頭の中での感想なのだから。


姫ちゃんにして見れば、ただ裸体同然の格好を愛でられただけに過ぎない。

遠回しに死んで下さいと言われても仕方ない…のかもしれない。


でも、ひどい。



「死んでも良いの?」

「あ、」

「ぼくがいなくなったら姫ちゃんは喜ぶの?」

「あ、ち、ちが…」

「そう」



言葉の文だという事ぐらい分かっているし、ただからかっただけ。

首を振って否定する姫ちゃんに満足して、ぼくは行為を再開。



「し、師匠…」

「ん?」



邪魔しようとしてるんだろうか。

会話を続けようとしているのだが、こちらは余り余裕がない。

姫ちゃんの声に耳を傾けつつ、まだ未発達のその胸に触れる。



「っ、し、しょ」



あ、耐えてる耐えてる。

布越しに体温が伝わってくるようなソレでは、与えられる感触が微妙にリアルで、もどかしいはずだ。


我慢させるのも可哀想なので、優しいぼくはその下着をずらして直に手を這わせてみせた。



「ううう、」

「唇は噛んじゃダメだよ、で、なに?」

「っ、し、…ょ、…ひ、めちゃ…っっ…、お、んっ、せ」

「え?」

「うあああ、そんな風な上目遣いしてもダメですよおお!」



淡く色付いた突起を口に含んだところで、途切れ途切れに、しかし何か言いたい事があるらしいと汲み取って、ぼくはそのまま顔を上げたのだが…

どうやらぼくの上目遣いは悩殺的らしい。


両手で顔を隠してしまい、姫ちゃんは暗闇へと逃げてしまった。

まあ、いいか。



「…ッ、…」



ざらついたその舌の感触は、随分とゾワゾワとくるものがある。

以前、姫ちゃんにやらせた事がある、ちょっと…いや、とってもヤバくて…だから姫ちゃんの気持ちは、一応分かる。


唾液によっていやらしく濡れたその突起を舐め上げる度、姫ちゃんは肩を揺らして反応してみせた。

まぁ、つまりはそれが悪いのだ。

いちいち、嬉しくなるぐらい、意地悪したくなるぐらい、反応してみせるから、だからもどかしいんだと分かっても止めてあげられない。



「きもちいい?」

「っ!ぅ、あ、しゃべっちゃ、やです、」

「ん、ごめん」

「っ!ししょぉ…」



そして含まれたまま喋るという行為は、案外、相当くるものだった。これも体験済み。

二度目の詫びは確かにわざとだった。

嗜める、というよりは、もう勘弁して欲しいと身を捩じらせる姫ちゃんに、思わず苦笑が零れた。



「やっぱりスカートって便利だよね」

「っ、うう」

「そんな声出さないでよ、我慢させてるみたいじゃないか」

「似たような、もんです」

「姫ちゃん、ひどい」



唾液が伝うほどに濡れた胸に満足して、少し体を起こす。

割って入った枝のように細い足に触れると、氷のように冷たかった。



「緊張しなくて良いのに」

「師匠が今すぐやめてくれたら緊張もほぐれます」



随分と拗ねられてしまったらしい。

唇を尖らせて ―逆効果だという事を一度教えた方が良いかも知れない― 睨むその瞳は熱を帯びていて。


でも機嫌が悪いよりは良い方が良いと、尖ったその唇に口付けた。



「今更、止めたら姫ちゃんだって困るでしょ」

「姫ちゃんは一人でします」

「え!マジで!!?」



それはそれですごく、見てみたい。とても、見てみたい。



「う、うそですよお!そんなケダモノの目でこっちを見るのは止めて下さい!犯されている気分です!」

「姫ちゃん…」

「半分は嘘です」



半分は本当なのか。

だから最近、崩子ちゃんの視線が冷たいのだろうか、だから萌太くんが崩子ちゃんを自分の後ろへと隠すのだろうか。


…気を付けなくてはならない。



「あ、や、…やです、やですよ、ししょー!」

「はいはい、大きな声出すと…」



スカートを捲りあげて、露になる下着。

慌てて足を閉じようとし不可能に終わる、けれどめげずにスカートを下ろそうと手を伸ばし、また不可能に終わる。


泣きそうな姫ちゃんに一言、釘を差せば、少女は慌てて口元を抑えた。


だからもう遅いっていうのにこの子は…

この子はどうしてこんなにも素直で、正直で、容易いのだろう…

愛し過ぎるぞ。


枝のように細い太股は、柔らかさを備えていて、堪能するまで撫で回す。

今にもアッパーかましてきそうなほど悔しそうな姫ちゃんはさて置いて、意思とは無関係に熱を帯びていく己。


これはちょっと…急いだ方が良いかも知れない。

いつ誰に見られるかも分かんないし。気を使ってくれるとも…いや、ぼくに使う気はなくても姫ちゃんに使う気はあるかもな。

とすればみいこさん、あの人は鋭くて鈍いから。今にも入ってくるかもしれない。


そこまで用意に想像できてしまい、ぼくは少しだけ性急に、それでも多少からかう心は忘れていないのか、

下着の上から、ツ と指でなぞりあげた。



「ふ、あ!」



背が弓なりに撓って、ぼくはそれに満足して下着を取り払う。

いやと言わせる前に、そこに指を宛がう。



「っ、あ、ああ」



嫌よ嫌よも、のタイプの姫ちゃんは、嬉しい事に少しはその気になっていたらしい。

しめそぼるそこに煽られるように、指を埋め込んでいく。



「し、しょ、まって、や、やだ」

「残念、もう入っちゃった」

「うう、っ、ん、あ!」



恥ずかしそうに眉を顰めて涙を滲ませて、縋るものが欲しいのか脱ぎ捨てられた自分の服に縋りついた。

ぼくに縋って欲しいなあとか何とか思いながら、第二関節まで埋まった中指で中を引っ掻くように動かしてみる。


もう痛みは伴わなくなったらしい愛撫に、小さく微笑みを零すと、姫ちゃんが目敏くソレに気づいた。



「ししょ、なに、わらってるん、ですか…っ」

「いや、何でもないよ」

「うそですよー、ひめちゃんを、っ、わら、て…るんですか!」

「まさか」



こんなに可愛いのに、と、ぼくは身を捩って逃げようとする姫ちゃんの、そのしっとりと汗ばんだこめかみに口付けた。



「っ、ししょ、あ、あっ」

「まだいっちゃだめだよ、姫ちゃん」

「そ、な、…っ、む…ちゃを…」



いやらしいくらいにソレを垂らして、軽い痙攣のように何度も何度も体を竦ませて。

煽るだけなんだよと教えるように、指の律動を早めてみる。

声を抑える事も忘れて、それで逃げられると思ってるのか、姫ちゃんは甘い声を上げる。



「ししょ、ああっ!、ふ、や…やだ、あ」

「うん、そうだね」



縋っているのか強請っているのか、姫ちゃんは口の端からだらしなく涎を伝わせて、苦しそうに喘いだ。

ぼくだってここまできて、おあずけだ我慢だなんて、ごめんだよ。


どこに負けないくらい涙を零すその瞼に口付けて、空いた手でズボンのジッパーを下げる。

熱いソレに息苦しさを覚えながら、指を抜いたそこに代わりに宛がった。



「、ししょ」

「だいじょうぶ、だよ」



掠れて、不安いっぱいの声を零して、ゆっくりと手が伸ばされる。

それをしっかりと握り締めて、微笑み掛けてやると、姫ちゃんは強張らせていた肩の力を、少しだけ抜いた。



「っ、」

「姫ちゃん、噛まないで、息、吐いて…ほら、ゆっくり」



ずぶずぶ挿っていくソレに、姫ちゃんが苦しそうに唇を噛み締める。

つ、と唇が紅に染まるのが見えて、ぼくはソレを舐め取るように口付ける、噛んだって痛みは治まらないんだから。


濡れた舌で血を舐め取って、詰めていた息を吐き出して吸い込んで、ちらちらと見えるその舌を絡め取ってやる。



「ん、ふっ、ぁ…っあ、あ…ししょ、んああっ」

「姫ちゃ…気持ち、い…っ?」

「…ふぁ、は、い…っい、です」



ざらざらしたもの同士を絡めて、誘い込んで犬歯で甘く噛んでやる。

逃がすまいと吸い上げて、それから整った歯列をなぞっていく。


その間も、ようやっと納まったばかりのソレを動かす事は忘れずに、狭まった二人の距離をゼロにするように、姫ちゃんがぼくを抱き締めた。



「ししょお…っも、ああぁ…っ」

「姫ちゃん、…ッ、――っ」



じわじわと熱い体温、そっぽを向いている扇風機。

汗が目に入りそうになって、目を瞑る。


ぽた、と顎を伝って姫ちゃんの胸元に落ちたソレを舐め取って、また口付けて。



抉るように貫けば、体中を電流が、びりりと流れた。




……ちょっとだけ、満足した昼下がり。

もう一度と体勢を立て直したところで、おんぼろアパートが人の接近をぼくらに教えてくれた。




三周年企画、ぼく姫でエロ甘でした。

大変お待たせしてしまい、すみませんでしたー。
少しでもムラムラして頂けたなら万歳です、ありがとうございましたっ