麗らかな日差しが降り注ぐ中庭には、いつもよりも多くの人がそれぞれの時間を満喫していた。 「ぎゃはははっ!オニーサンてば、いー年して零しちゃったよ!ぎゃははははっ!!ハズカシーッ!!」 「笑い過ぎだよ出夢君」 「そうなんだよ兄貴っ!笑っちゃ失礼なんだねっ」 「理澄ちゃんも口元が笑ってるよ」 「!ご、ごめんなんだねっ!お詫びにトマトあげるんだよっ」 「ぎゃははっ理澄は優しいなぁオイっ!俺もトマトあげちゃうっ!」 「……僕のお弁当箱には既にトマトが入ってるのにどうしてまた…」 「ふふんっ単純明快な謎なんだねっ」 「ただ単に俺達がトマト嫌いなだけっぎゃはははっ!」 「…別に良いんだけどね…」 ぎゃはは!と豪快に笑う出夢と、モノを口に含んだまま喋くる理澄と、満更でもなく微笑を浮かべるいーいー。 三人が談笑を交わしながら昼食を取っているその数十メートル先の木陰。 ガサリ と小さく葉が揺れて、人識が顔を覗かせた。 「うーん、場所選択誤ったかな」 眉を顰めて、呟いて。 それから、傍らで苦しそうに喘いでいる少女の頬に手を添えた。 「舞織さん、何か騒がしくなってきたんだけど、続きどーする?俺は別にここでも良いけど…」 ぺちぺちと頬を叩かれて、気だるげに瞼が持ち上がった。 舞織の瞳が人識を見つめれば ―正確には睨んでいたのだけれど― ソレに耐え切れず人識は頬を赤く染めた。 「…どうもこうも…わたし、したいなんて一言も言ってないんですけど…」 「まーたまたぁ。体は素直に反応してるくせになぁー?どーも口が素直じゃない」 「っふざけな…ッひゃっ、ぁあっ、ンッ!」 木の幹に寄り掛かったままの舞織の自由を奪うように体を近づけて、 立てられたままの膝を撫でながら、ぐちぐち と卑猥な水音をさせて秘所の中へと指を出し入れさせる。 「短いスカートはダメだって…俺、前に言いませんでしたっけ?」 耳に口を近づけて、咎めるように密やかに囁いて、耳朶を口に含めば、 舞織は大きく体を震わせて、ナカの指を、きゅうっ と締め付けた。 「…っそ、んなっの…ッわたしのじゆ、うぁ、んっ」 「……舞織さん」 「…?な、に…?」 酷いとは思うけど、ずるいヤツだって自覚してるけど。 酷い事してでも、ズルイ手を使ってでも、貴方が欲しいんだ。 どんな事をしてでも、手に入れたい… 人識は、眉を寄せて、切なげに瞳を揺らして、舞織の手に自分のソレを絡めた。 「舞織さんの全部、俺に頂戴?」 「……う…っ」 モノを欲しがる餓鬼じゃないけど、情に訴えかけるなんて、ホントはしたくないけど、お願いに弱いって知ってるけど… ごめん と心の中で謝れば、舞織の方も苦虫を噛み潰した顔して、ズルイ と口を尖らせていた。 そんな風に年不相応な事するから…可愛くて可愛くて…余計欲しくなる… 「ね、だめ?」 「ッぁ あっ…ん…っ」 ナカを蠢く指を増やして、勝手知ったる何とやら。 的確に性感帯を弄くり回され、舞織は両手で口を押さえて必死に声を押し殺した。 「ほら、早くしないと誰かに気付かれちゃうかも」 「―――ッいじわ、るっ…ふ、ぃやっ!あっ」 良い返事が中々もらえない事に、人識は服の上から突起をキュウッと摘んで、更に舞織を追い詰める。 口端から零れる唾液を、甘やかすようにして舌で舐め取れば、舞織は苦しそうに顔を歪めて人識に縋り付いた。 「ねぇ…舞織さ…」 「……だ」 「え?」 もう一度声を掛けようとすれば、舞織がソッと耳元で何かを呟いた。 「何?舞織さん」 「こんなところじゃやだ…」 「……っ」 誘うように、舞織の柔らかな唇が人識の首筋に当たる。 ちろりと舌で舐められて、思わず肩が竦んだ。 「舞織さん」 「…ん?」 「めちゃくちゃ好き…」 「…うん、ありがとう」 人識くんが年下ってのも、結構イイと思うんですけど、どーでしょうか? サン付けとか、大いにトキメキます、私。 今回の登場人物、学年表 いーいー → 大学部一年 理澄・出夢 → 高等部三年 舞織 → 高等部二年 人識 → 中学部三年 濡れ台詞で10の御題:7「こんなところじゃやだ…」 お題提供元:リライト 06.01.18-06.02.04のぱちでした |