輪郭 7
あとはただひたすらに、抱き締め合った。



「ねぇ…泣かないでよ……ヨンサ…」



暖かな言葉が、心地良く胸に残った。
輪郭
最初は涙を拭っていた舌が、唇が、段々と場所を変え、瞼や鼻、額へと口付けを落としていく。

英士が、くすぐったそうに身を捩るものの、潤慶は逃がすまいと抱き締める腕に力を込めた。



「っ、ふ……っ、ユン…ッ…くすぐった…」

「色気のない事言わないでよー。僕萎えちゃう…」

「…何言ってるの、こんなにしといて」

「ッ、あは、バレてたか」



その当たる熱く猛ったソレを、膝でもって刺激してやれば、潤慶は眉を顰めて苦笑いした。



「こっちきて、ユン」

「?なに」



英士はふと潤慶を見上げ、その手を取って引っ張った。

抱き締めた腕を緩めればするりと抜けて、英士はベッドに潤慶を座らせ、その上に自分も跨った。



「…あの…エイシさん?」

「お前に英士なんて言われると鳥肌が立つからやめて」

「ああそう、悪かったねー」

「ねぇ、明日、本当に朝一の便で帰るの?」

「…ああ、うん。そうなんだよ。もっと長居したいんだけどね」



その潤慶の言葉に、英士は、ふぅんと小さく頷いた。

そして何を思ったか、豪快に服を脱ぎ出した。



「ちょっ、ヨンサ!?」

「なに」



慌てて英士の手を掴んで静止させれば、英士は訝し気に眉を顰めた。



「何はこっちだよ、どうして脱ぎ出すの!?」

「?ユンは、本当にコレだけのために来たって事なんでしょ?」



まるで潤慶がおかしいんだと言わんばかりの堂々っぷりに、半分呆れつつも、するりと撫でられた潤慶の男根は、素直に反応して見せた。



「ッ…ヨンサ…」

「なに」

「…そういうとこ、男らしくてスキ」

「気持ち悪い事言わないで」

「酷ーい、折角の告白を気持ち悪いだって!ヨンサ、残酷ー!」

「はいはい。俺が悪かった」



さらりとそう流して、英士は最後の一枚を、ばさりと床に落とした。

最後の一枚とはいっても、ズボンはまだ身に着けたままだけれど。



「何だか、さっきと立場が逆だね。今度は僕が我侭言ってる」

「…良いんじゃない?持ちつ持たれつで」

「ヨンサはもっと僕に甘えて良いのに」



愛おしげに、脇を撫でられる。

ひくと肩を竦ませて、英士の放たれた言葉も小さく飲み込まれた。



「……これ以上…」

「え?なに?」

「……何でもないよ」



これ以上…甘やかして一体どうする気だよと


勘の鋭い潤慶に悟られる前にと、英士は潤慶の首に腕を回して、深く口付けた。