あとはただひたすらに、抱き締め合った。 「ねぇ…泣かないでよ……ヨンサ…」 暖かな言葉が、心地良く胸に残った。 輪郭 最初は涙を拭っていた舌が、唇が、段々と場所を変え、瞼や鼻、額へと口付けを落としていく。 英士が、くすぐったそうに身を捩るものの、潤慶は逃がすまいと抱き締める腕に力を込めた。 「っ、ふ……っ、ユン…ッ…くすぐった…」 「色気のない事言わないでよー。僕萎えちゃう…」 「…何言ってるの、こんなにしといて」 「ッ、あは、バレてたか」 その当たる熱く猛ったソレを、膝でもって刺激してやれば、潤慶は眉を顰めて苦笑いした。 「こっちきて、ユン」 「?なに」 英士はふと潤慶を見上げ、その手を取って引っ張った。 抱き締めた腕を緩めればするりと抜けて、英士はベッドに潤慶を座らせ、その上に自分も跨った。 「…あの…エイシさん?」 「お前に英士なんて言われると鳥肌が立つからやめて」 「ああそう、悪かったねー」 「ねぇ、明日、本当に朝一の便で帰るの?」 「…ああ、うん。そうなんだよ。もっと長居したいんだけどね」 その潤慶の言葉に、英士は、ふぅんと小さく頷いた。 そして何を思ったか、豪快に服を脱ぎ出した。 「ちょっ、ヨンサ!?」 「なに」 慌てて英士の手を掴んで静止させれば、英士は訝し気に眉を顰めた。 「何はこっちだよ、どうして脱ぎ出すの!?」 「?ユンは、本当にコレだけのために来たって事なんでしょ?」 まるで潤慶がおかしいんだと言わんばかりの堂々っぷりに、半分呆れつつも、するりと撫でられた潤慶の男根は、素直に反応して見せた。 「ッ…ヨンサ…」 「なに」 「…そういうとこ、男らしくてスキ」 「気持ち悪い事言わないで」 「酷ーい、折角の告白を気持ち悪いだって!ヨンサ、残酷ー!」 「はいはい。俺が悪かった」 さらりとそう流して、英士は最後の一枚を、ばさりと床に落とした。 最後の一枚とはいっても、ズボンはまだ身に着けたままだけれど。 「何だか、さっきと立場が逆だね。今度は僕が我侭言ってる」 「…良いんじゃない?持ちつ持たれつで」 「ヨンサはもっと僕に甘えて良いのに」 愛おしげに、脇を撫でられる。 ひくと肩を竦ませて、英士の放たれた言葉も小さく飲み込まれた。 「……これ以上…」 「え?なに?」 「……何でもないよ」 これ以上…甘やかして一体どうする気だよと 勘の鋭い潤慶に悟られる前にと、英士は潤慶の首に腕を回して、深く口付けた。 |