わたし は 怖い です


嫌われてしまう事が

触れる事を戸惑うのではないかという 貴方が

触れられる事を拒んでしまわないだろうかという 自分が


酷く 怖い

いつだって

ぐたりぐたり としていれば、反抗する言葉も抵抗する力も、皆無に等しい。

兄達に礼言う力も許可も無くして、人識に抱かれて、あれよあれよと部屋へ運ばれてしまう。


気付いてみれば、人識の上に跨る自分の姿があった。



「…人識くん、…わたし…」

「ああ、俺を見る事だけに 集中しろ」



したら、怖くねぇから

と、甘く小さく囁かれ、掌が、するりするり と頬を撫でれば、ほらもう夢の中。



いつだってお見通し


不安を溶かして 恐怖を消して

残るのは あなただけで 良い



はむ と唇を食まれて、ヒクッ と肩が竦んだ。



「今日は甘やかしプレイでいくか」

「ん、むっ …ぅ?」



焦らしプレイでも良いけど、怖い思いしたんだしな…

と、優しく髪を撫でられる。



くち と絡む舌に、誘われるままに深く深く口付ける。


刺激するのは、響く水音、絡む舌先、体を優しく、けれど意地悪く触れるその指。



「…っ、ひとしき、く…っ」

「気持ちイ?」

「…ッ」



ちゅ と額に唇が触れる。



「…ほら、濡れてる」

「ぁうっ」



柔肌を、そろり と撫でて、上へ上と手を這わせていく。

スカートの奥へと手を忍ばせて、下着の上から、ソッ と触れる。



「えっちだな、舞織は」

「やっ、ちが…うっ ぁっあっ」

「こんなに濡らして、何が違う?」



舞織の表情を伺いながら、人識は、秘所へと、指を差し挿れる。

ツプ と小さく音を立てて、入っていく人指し指。



「ほら、締め付けて離さねぇ」

「ひゃあぁ… あっ、ぁっ!」



柔らかな内壁を刺激して、縋る舞織を押し倒す。

強請るままに、口付けを与えて、より一層の、刺激を。



「そういや…どこだったっけ?触られたの」

「ひ、ぅっ…な、にィ…?」

「触られたのどこだよ」

「っ、ぁ、…そ、こと…っ、ん、っあっ、うんっ」



そこ と頷く場所に、キツイ口付けを。

赤く花開くソコに満足そうにする人識と、苦しそうに眉を顰める舞織。



「っいっ、た…い」

「あとは?」

「もう、な…ぃっ ひとしきく…もっ、やぁ…っ」



とろとろ と蜜が溢れるそこにも口付けて、涙する舞織を、ギュウ と抱き締めた。



「もう、二度と、あんな目には遭わせねぇから」

「…んっ、うん…わたしも……ごめん、なさい」

「ん、イヤ…俺も悪かったし」



だからアイコ、これで仲直りな と軽く唇が合わさる。



「っつーわけで…いい?」

「…聞かないで下さい」

「かははっ、真っ赤だな」

「……」



顔を見れば、ソレを見れば、明々白々。

言わせたいのが男心、察して欲しいのが女心。


そして、今回折れたのは…



「アイシテルぜ、舞織」

「…わたし、もっ、ひゃあぁ!」



涙に濡れるその瞼に、ソッ と口付けて、熱く猛る男根を、愛液溢れるソコへと挿れていく。


苦しそうに眉を顰める舞織に心の中で詫びをして、このままじゃ引き千切られる と一気に貫いた。



「っ、やああっ、ひとしきくっ、あっ あっ!」

「つっ…舞織…っ」



何度も口付けて

何度も名前を呼んで


何度も何度も

愛を囁いた



愛しさが満ちる頃、二人して後追うように果てて、

息も絶え絶え、手を握り合って、小さく微笑んだ。




10000HIT抽選フリー小説として、当選した蟻喰様へ捧げたものの続きを書いてみました。
蟻喰様、宜しかったらコレもオマケでどうぞー。(笑)

※蟻喰様のみお持ち帰り可です。