力が入らないのを良い事に、好き放題 ってのも良いけれど……

くらくら

頬に手を添えて、角度を変えて深く深く、口付ける。

力の入らない舞織はなすがままにそれを受け入れる。


おかしくなってしまった体は、いつもの比にならない快感を舞織に与えている。

舌を絡められれば、泣きたくなるほどの悦楽が押し寄せてきた。



「そんな気持ちイイか?」

「……」



苦しそうに息を吸う舞織を覗き込んで、ニヤリ と言い放てば、元より赤かった顔が更に、可哀相なほど赤くなる。


余程楽しいのか、鼻歌でも歌い出しそうな笑みを浮かべて、人識は舞織の額に唇を落とした。

艶っぽい息を吐く舞織を見遣ってから、ズボンを脱がし、露わになった肌に手を這わせる。



「…ひ、っとしきく……っ」

「何だよ」

「……ッ」



中核には決して触れずの焦れったい愛撫に、舞織は切羽詰った声で人識の名を呼ぶ。

けれど、人識がソレに気付かぬ振りして返答すれば、舞織は悔しそうに唇を噛んだ。



「ああ…」

「…?…っひゃ、あっ!」



今気付いた風を装って、下着の上から、ソッ と撫で上げれば、舞織はキツク目を瞑って悲鳴を上げた。



「早くシて欲しかったんだ?」

「…っも、もうっ!意地悪…っ!」



顎に手を掛けて、こちらを向かせて見れば、案の定、泣いていた。


上目遣いで睨む様に煽られて、下腹部が熱を帯びていく。



「…悪い悪い」

「その言い方は悪いと思ってないですね!」

「思ってる」

「うそ…っ」

「ホントだって…ほら、」

「そっ…、あっ あっ!」

「な?お詫び」



素早く下着を取り払って、秘所へと人差し指を挿入する。

下着の上から数度摩擦を生じさせただけで、ソコからはまるで数回やった時ように愛液が溢れ出してきた。



「舞織…」

「んっ?な、に…?」

「ヤらしい音してんの、聞こえる?」

「…えっ…?」

「ほら…くちゅくちゅ言ってる」

「…っ聞こえな…っ」

「んー?じゃあ聞こえるようにしてやらなきゃな」

「ヤッ、ちょ…ああぁっ!」



柔らかな内壁が、きゅうきゅう と締めてくるのもお構いなしに、指を三本に増やした。


音を立てるように、ぐちゅぐちゅ と動かせば、舞織は嫌がるように首を振って人識に縋った。



「あぁっ 人識く…ッ、も、ゆっく り…ッ」

「今度は聞こえるか?舞織」

「ッあ ぁっ…ぅ んっ、ひゃあぁっ!」

「ん?イく?」



口付けを求める舞織に答えながら、ソッ と耳元で問えば、舞織は、コクコク と頷いた。



「じゃ、自分でイってみるか」

「…ふ ぁっ…?」



ちゅぷ と粘着質な音をさせて、指を取り出せば、てらてらとした愛液が指に絡みついた。



「…意味は分かるか?」

「…や、ちょ…っ」



汚い と言う前に、その濡れた指を人識は口に含んだ。

恥ずかしそうに眉を顰める舞織に笑いかけてやると、悔しそうに膨れてそっぽを向かれてしまう。



「…ほら、シないのか?」

「………」

「苦しいんだろ?」

「…」

「誰にも言わねえから、やってみろって」

「ッな…っ…」



何でそういう事を… と言葉に出そうとして止めた。

ずくずくと疼く下肢は、達したいと舞織に呼びかけている。


恥ずかしいと叫ぶ理性、イきたいと悲鳴を上げる本能。



「ん、そうそう」



恐る恐る、自分の手を下肢に導いていく。


ゆっくり入れてみ と優しい声が降ってきた。



「……ッァ あっ!」

「もっと奥まで指突っ込んで…」

「ふ、ぅあ、あっ!人識く…ッ やっ、ゃっ!」

「ん、手?ほら、握っててやっから」



秘所の浅いところを行き来させる手とは反対の手が、助けを求めるように人識の手に重ねられる。



「それじゃあいつまで経ってもイけないだろー」

「だ、って…!」



人識の肩に頭を乗せて、辛そうに息を短く吐く舞織を見兼ねて、人識は飽いている方の手で舞織の閉じた足を、ガバリ と開かせた。

閉じてしまう前に自分の体を割り込ませて、露わになった秘所に指を這わせる。



「ほら、こうやって…」



舞織の指を挿入したまま、自分の指も中へと挿入する。



「ッく、あ あぁ…ッあ っ!」



奥深く、弓なりに体を反らせる程の反応を見せる場所を、数度引っ掻いてやると、舞織はオルガスムスを感じて呆気なく達してしまう。



「…は、はぁ はぁ…っ…っぁ ん!」



ぐたりと凭れ掛かる舞織を抱いて、ソッ とベッドに寝かせる。

下半身は元より、体全体に熱い火照りを感じて、人識は衣服を乱暴に脱いだ。



「…次は一緒にイこうぜ」



な? と問う人識に、舞織は恥ずかしそうに、それでも健気に、コクン と頷いて見せた。